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本ページは、問題社員への対応と雇用の終了に関する実務に関する解説のうちの一つです。全体像は、次の中核となるページをご覧ください。
▶ 問題社員への対応|辞めさせる前に踏むべき手順を弁護士が解説(使用者側)
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どんなに採用時に気を使っていても、問題を起こす社員は生まれてしまいます。彼らを雇用し続けるリスクは大きく、仕事にも影響することでしょう。
もっとも、雇用の終了は最後の手段です。まずは事実を特定し、指導及び改善の機会を与え、その経過を記録することが必要です。この手順を踏まないまま解雇に踏み切りますと、解雇が無効と判断され、解雇の期間中の賃金の支払を命じられることがあります(労働契約法第16条)。その額は、争いが長引くほど大きくなります。
そこで、ここでは問題社員への対応方法をご説明します。
- 問題社員とは何か
- 解雇のリスクとは何か
- 問題社員へのケース別対応
- 解雇に踏み切る時の流れと解雇の種類
- 不当解雇で労働裁判にならない為の準備
など、問題社員への対応と解雇について、簡単ではありますが解説させていただきます。
問題社員とは
問題行動を繰り返し、業務への悪影響を与える社員のことを問題社員と呼びます。法律上の明確な定義ではありませんが、例えば2週間以上の無断欠勤などを繰り返すなどをした社員を解雇した場合、裁判では適切な解雇であると判断された事例があります。
問題社員の種類について、ケース別に見ていきましょう。
- 無断欠勤
- 遅刻や早退をくりかえす
- 能力不足やサボリ
- セクハラやパワハラをする
- 業務命令を無視、異動や転勤命令も拒否する
- トラブルメーカーで協調性が皆無
- 情報漏洩を行う
- 業務上横領をする
- 私生活での犯罪行為
このように、問題社員となるケースは様々です。タイプ別に対応方法を後述しますが、その前に知っていただきたいことがあります。
対応が長期化しやすい事案の特徴
対応が長期化しやすい事案には、次のような事情が見られることがあります。もっとも、これらは人格に対する評価ではなく、対応の難易度を見立てるための目安であり、これに当てはまることをもって直ちに不利益な取扱いを正当化するものではありません。
- 指導の内容が受け入れられず、同種の事象が繰り返される
- 自己の評価と会社の評価との間に大きな隔たりがある
- 業務への影響について認識の共有ができていない
- 周囲への影響について説明をしても理解が得られない
という事情が見られる場合には、対応が長期化しやすくあります。もっとも、これをもって直ちに解雇の理由となるものではありませんので、手順を踏んで進める必要があります。
このような事案では、対立が深まりますと、代理人を通じた交渉、労働審判又は訴訟に発展することが少なくありません。会社としても、早い段階で記録を整え、法律上の根拠を確認しておく必要があります。
問題社員に対する基本的な対応
問題社員には様々なパターンが存在しますが、まず基本的な対応から説明していきます。
現状の把握を3か月続ける
使用者には労働者の教育をする義務があるとされています。したがって、問題がある社員でも、時間を置かずに解雇することはできません。その期間として3か月程度が妥当だと言われています。
注意と観察を繰り返す
問題社員の仕事を観察し、問題があれば注意します。改善が見込まれるのであればいいですが、そうでなければ文書で改善されなかった旨を示します。こうすることで、後の解雇に繋がる正当な事由を証明できます。
懲戒処分
問題社員の問題が改善されなかった場合、まず懲戒処分を検討します。降格や減給、配置転換や異動も考慮します。懲戒処分を行う際にも、注意勧告を行ったこと、それに対して改善が行われなかったことを証拠として提示します。
退職勧奨・諭旨解雇
懲戒処分を行っても改善されない場合は、退職勧奨を行います。自己都合退職を勧め、その代りに有休の消化、退職金など会社からの条件を提示します。この時、本人の言い分を聞くことが重要です。会社が一方的に行ってしまうと、不当解雇と取られてしまう可能性があります。
解雇
退職勧奨に応じなかった場合、解雇へと進みます。ここまでもつれた場合、法律に従った正しい手順で行わなければなりません。弁護士に相談するなどをし、解雇をする前にやっておくべき証拠の準備や勧告などを行います。
問題社員を解雇する前にやらなければいけないこと
解雇にはリスクがあります。使用者(会社側)が解雇権を行使するには、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当として是認できる場合でなければいけません。そうでなければ、権利の濫用として解雇が無効になってしまいます(解雇権濫用法理)。
解雇事由において争点になるのは就業規則に定める解雇事由該当性です。その該当性があるとされている場合においてもなお、解雇の相当性が裁判で検討されます。
解雇する前に「客観的に合理的な理由があるのか?」についてチェックしておかなければなりません。
指示は伝わっているか?
問題社員が自分の問題を認識していないケースです。それは口頭での注意には限界があることを意味しています。
もし、問題社員が自分の問題を自覚できれば、この問題はクリアになるでしょう。ですので、まずやるべきは問題社員とのコミュニケーションです。それも、口頭で伝えるのではなく、書類で伝えるのが効果的です。
書類で指示したことなどを残しておけば、後に労働裁判になってしまった場合でも有利な証拠となります。会社として社員への指示を行い、教育もしていたことを文書で残しましょう。
異動・転勤は可能か?
問題社員の適性が、現在の職場にフィットしていない場合があります。異動や転勤の道を提示しましょう。会社として社員の成長を期待し、転勤先での社宅などの環境を整えておくことを証明できれば、裁判でも有利な証拠となります。
教育・注意した証拠を残しておく
日本の法律では、社員は生涯を1つの会社で過ごす事を前提としています。会社が従業員を教育せずに解雇することはできません。
労働裁判になった場合、教育・注意した証拠がなければ会社の不当解雇になる事例もあります。業務日誌や注意した事の証拠を残す必要があります。
裁判例には、大学院卒の正社員を、労働能率が劣り向上の見込みがない、積極性がない、協調性がない等として解雇した事案において、会社が教育や指導を行った形跡がないとして解雇の効力を否定したものがあります。
ミス・トラブルの証拠を残しておく問題社員の犯したミス・トラブルの証拠を残しておきましょう。過去の判例では、仕事のミスと解雇された問題社員の因果関係を証明できず、不当解雇となったことがあります。
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