労働審判は、第1回期日で実質的に決まります
労働審判手続は、原則として3回以内の期日で審理を終結することとされています。実務上は、第1回期日において労働審判委員会の心証がおおむね形成され、その後の進行が決まります。
申立書が送達されてから第1回期日までの期間は限られています。この間に、答弁書の作成、証拠の収集、関係者からの事情聴取を完了させる必要があります。
訴訟であれば主張を追加する機会が複数ありますが、労働審判ではその余裕がありません。初動の遅れが結論に直結する手続です。
申立てを受けた場合に直ちに行うこと
- 第1 期日及び答弁書の提出期限の確認
- 第2 申立書における主張と、会社側の認識との異同の整理
- 第3 就業規則、雇用契約書、賃金台帳、勤怠記録、人事記録の収集
- 第4 関係する管理職及び同僚からの事情聴取と陳述書の準備
- 第5 電子メール、通信アプリの記録等の保全
- 第6 解決の水準(和解に応じ得る金額の範囲)の内部的な検討
主な事件類型
- 解雇無効を理由とする地位確認及び賃金の支払請求
- 雇止めの無効を理由とする請求
- 残業代(割増賃金)の支払請求
- 退職強要又はハラスメントを理由とする損害賠償請求
- 安全配慮義務違反を理由とする損害賠償請求(過重労働、労働災害)
- 配置転換、降格、懲戒処分の無効を理由とする請求
和解に応じるべきかの判断
労働審判手続は、調停による解決を志向する手続です。委員会から解決案が示された場合、これに応じるかどうかの判断を求められます。
判断に際しては、敗訴した場合の負担(地位確認が認められた場合には、判決までの期間の賃金相当額の支払を要します)、手続に要する時間と労力、他の従業員への波及、そして紛争が公開の法廷に移行することの当否を比較します。
労働審判に対して異議を申し立てた場合には、訴訟に移行します。訴訟では審理に更に長期間を要します。
ユニオン(合同労組)からの団体交渉申入れ
社外の合同労働組合から団体交渉の申入れを受けた場合、使用者は正当な理由なくこれを拒むことができません。拒否は不当労働行為に当たる可能性があります。
もっとも、応諾義務があることと、要求に応じる義務があることとは別です。誠実に交渉する義務を果たしつつ、譲歩できない点については理由を説明して維持することが基本となります。
交渉の場所、時間、出席者の人数、議題の範囲については、あらかじめ協議して定めることが可能です。準備のないまま交渉に臨むことは避けるべきです。
御相談の申込み
労働審判及び労働訴訟への対応については、電話又はお問い合わせフォームより承ります。電話の受付は午前9時から午後9時まで、お問い合わせフォームは24時間受け付けています。
申立書又は訴状が届いた場合には、提出期限の関係で時間の余裕がありません。速やかに御連絡ください。




















